伯耆の國の御伽草子

お気楽気ままな高齢者のグダグダ噺

チャンポンという食べ物

 おはようございます。

 今朝も眠い目をこすりながら、パソコンの電源を入れました。

 

 さて、チャンポンという食べ物をご存じではないかと思います。

 私も大好きな食べ物のひとつでありますが、チャンポンといいますとどのような食べ物を想されるでしょうか?

 

 実は私は、高校を卒業して、東京で暮らすようになるまで、チャンポンは野菜のうま煮あんかけラーメンであると思っておりました。

 

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 東京で暮らすようになってから、高田馬場にある中華料理店、はっきり言ってラーメン屋さんで、チャンポンを注文したところ、いわゆる長崎チャンポンがテーブルの上に運ばれてきた時の衝撃ときましたら、

 

「ちがう、ちがう、これはチャンポンではない」と思わず叫んで、高田馬場を全裸で走り回った記憶があります。そんなわけはないか。

 いや、全裸では走り回りませんでしたが、これは私の注文の仕方が悪かったか、はたまた店員さんの耳がおかしいのではないかと思った次第であります。

 しかし、ここでお断りしておきますが、決してテーブルに出てまいりましたチャンポンが不味かったという訳ではございません。確かに想像していたものではありませんでしたが、テーブルの上で遭遇いたしました、チャンポン、そう長崎チャンポンの美味しさに二度びっくりの衝撃を受け、またまた高田馬場を全裸で、いえ、そのようなことはいくらなんでもいたしません。しかし美味しい経験をいたしました。

 

 当然、今から四十年近く前のお話でありますので、その頃は今のようにインターネットなどというものはなく、当然スマホなどというものもありませんでしたので、店内ですぐに調べることも出来ず、あとになって、世の中でチャンポンというと、長崎チャンポンのことを指していることを知りました時には、

「ああ、なんと私は井の中の蛙であったか……」と世の中の大きさに改めて驚いたものでした。

 そしてそして、インターネットが普及してまいりますと、私が小さいころからなじんでおりました、野菜のうま煮あんかけラーメンは、鳥取チャンポンあるいは山陰チャンポンというもので、所謂ご当地麺のひとつであること、世の中には山陰チャンポンの他にも彦根チャンポン、尼崎チャンポン等のたくさんのご当地麺があることを知ったのでございます。

 

 余談ではございますが、私が育ちました近所の焼肉屋さんには、チャンポンというホルモンと野菜を炒めたものがありました。小さいころ、晩御飯のおかずがないと、母親からいくらかのお金をもらいまして、その焼肉屋さんに

「チャンポンください」って買いにいったのでしたが、必ずそのホルモンと野菜を炒めたものを、ビニール袋に入れてもらって帰って、晩御飯のおかずにした記憶があります。おそらく今、ホルモンと野菜を炒めたものをビニール袋に入れてもらって、町を歩いている少年なんていないとは思いますが、その頃はいたんですよ。

 

 皆さんもおそらくご自身のチャンポンをお持ちではないかと思います。私も小さいころから親しんでおります山陰チャンポンをこれからも愛していきたいと思う今朝なのでありました。

 

 またまた余談ではありますが、最近は様々なラーメンがありまして、中には行列が出来るラーメン屋さんもあるようです。私もラーメンは大好きなのでありますが、そのような行列が出来るラーメン屋さんで食しましても、あまり感動をしたことがございません。これは私が、ただただ味覚音痴なだけでございまして、決して行列の出来ているラーメン屋さんが悪いわけではありません。

 私が思いますところの美味しいラーメンは、小さい頃、近所にあったラーメン屋さんのラーメンが一番美味しいと思っているのであります。

 中学、高校になりますと、近隣の町の友人が出来たりするもので、その友人から、

「うちの近所の〇〇という店のラーメンは、すっげぇうめぇぜ」などと聞いて、わざわざその〇〇まで行くのですが、友人が言うほど美味しいとは思わなかった経験が、皆様もございませんか?

 これは、私が思いますには、生まれ育った町で、幼いころに初めてラーメンなるものを食べた時の感動が、頭の中のどこかにプリンティングされてしまい、その味がラーメンの頂点の味と記憶してしまうからではないかと思っているのであります。ですから、生まれ育った近所の汚い小さなラーメン屋さんラーメンが一番美味しいのではないかと思う、今朝なのでした。